ジム・トムリンソン featuring ステイシー・ケント / "THE LYRIC" [jazz / Female Vocal]
Artist : Jim Tomlinson
Title : "THE LYRIC" featuring Stacey Kent
Release : 2005 ※国内盤2006年07年26日
Label : O+music : http://www.oplus.org/
Style : jazz / sax & female vocal
◆jazz度数・・・★★★★★ (5/5p)
◆お気に入り度数・・・ ※最高は5つ
◆Situation・・・
◆抜粋ポイント
- スタン・ゲッツを彷彿させるメロウでムーディなテナー・サックス
- 奥さまのステイシー・ケントが13曲中11曲にヴォーカル参加
日本の音楽シーンでは、その名前はまだほんの一部の音楽ファンにしか知られていないだろうイギリスのテナー・サックス奏者、ジム・トムリンソン。かく云う僕も彼のアルバムを買ったのは実はこれが初めてだった。
ジムのことを知っている方の多くが、きっと彼の細君ステイシー・ケント経由でその名前を知ることになったのではないだろうかと僕は想像する。常にステイシーのアルバムで、彼女の声に寄り添うように甘く奏でられるメローなテナー。そのサックス・プレイヤーが彼、ジム・トムリンソンだ。
今年の4月、ステイシー・ケントは待望の来日初ステージを東京丸の内のCotton Clubで行ったのだが、このジムのアルバムはそれに先駆け2005年末に先ずイギリスとフランスでリリースされていて、ステージの構成はほぼ全てそれに沿ったものだった。僕は事前にこのアルバムを入手していたのでその構成に大きく戸惑うことはなかったけれど、ステイシーのアルバムばかりを熱心に聴き込んで予習してきたファンの方には予期せぬ変化球だったかも。初来日のステージならばこそ、ステイシーのアルバムからずらりと選曲されると思うのがファン心理ってもんでしょう、普通は(笑)。
しかしそれはきっとステイシーがこのアルバムをジムの単独名義と考えていない事の裏返しかも知れない。彼女の歌を楽しみに集まったファン達に、さりげなく半歩下がって夫ジムの演奏を印象づけたい。そんな気遣い溢れるステイシーのステージングに、ああ、この二人って夫婦としても音楽的パートナーとしてもとてもうまく行っているんだろうなぁと、つい音楽以外の余計な想像まで。それほど仲の好さそうな良い夫婦だったのだ。
そんな二人のパートナー・シップの良好さを見せつけられるかのようなこのアルバム。まるでヴォーカルとサックスとのデュエット作品のように互いが寄り添っている。バックを担うのがピアノ、アップライト・ベース、ドラムスとのシンプルなコンボ。やもするとアルバム1枚でも内容が平坦に感じそうにも思えてしまうけど、そこは表情豊かなステイシーのヴォーカルの表現力で全く退屈させない。
まぁ、奥さんの七光り(?)なんてイジワルい見方をする向きもあるみたいだけど、あれだけ仲の好さそうな二人なら、それも良いでしょう。誰がリーダーのアルバムなのかが重要なんじゃなくて、これだけジムもステイシーも素敵な演奏をしてくれているのだから、ね。
ただ、今後はいつまでもステイシーあっての、じゃ厳しいかもよ~。
◆過去の関連記事
「Stacey Kent Live@Cotton Club」→ http://blog.so-net.ne.jp/ilsale-diary/2006-04-09
リリック (2006/07/26) ジム・トムリンソン 商品詳細を見る |
01. Manha de Carnival (I.Bonfa)
02. Corcovado (A.Jobin - G.Lees)
03. I've Grown Accustomed to His Face (F.Loewe - A.Lerner)
04. If I Were a Bell (F.Loesser)
05. I Got Lost In His Arms (I.Berlin)
06. What Are You Doing The Rest of Your Life (M.Legrand - M.&A.Bergman)
07. Cockeyed Optimist (R.Rodgers - O.Hammerstein)
08. My Heart Belongs to Daddy (C.Porter)
09. The Surrey With The Fringe on Top (R.Rodgers - O.Hammerstein)
10. Outra Vez (A.Jobin)
11. Jardin D'hiver (K.Zeidel - B.Bioley)
12. Something Happens to Me (J.Segal - M.Fisher)
13. Stardust (H.Carmicheal)
Jim Tomlinson (tenor sax and percussion)
David Newton (piano)
Dave Chamberlain (double bass)
Matt Skelton (drums)
Stacey Kent (vocal expect 01 & 10)
♪輸入盤はジャケット違い
The Lyric featuring Stacey Kent (2006/09/12) Jim Tomlinson、Stacey Kent 他 商品詳細を見る |
◆文中に登場したアーティストの関連アルバム
♪ジム・トムリンソンの2003年ソロ。やはりスタン・ゲッツへのオマージュ的作品
Brazilian Sketches Jim Tomlinson (2003/04/15) Candid この商品の詳細を見る |
♪ジム・トムリンソンの2000年ソロ作
Only Trust Your Heart Jim Tomlinson (2000/04/18) Candid この商品の詳細を見る |
♪ステイシー・ケント最新作(2003年)
The Boy Next Door Stacey Kent (2003/08/26) Candid この商品の詳細を見る |
2006-08-12 23:17
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