ニルス・ラングレン & ジョー・サンプル / "CREOLE LOVE CALL"

Artist : Nils Landgren & Joe Sample
Title : "CREOLE LOVE CALL"
Release : 2006 ※国内盤2005年
Style : R&B / Fusion (male vocal,trombone & piano)

◆jazz度数・・・★★★☆☆ (3/5p）
◆お気に入り度数・・・　※最高は５つ
◆Situation・・・

◆抜粋ポイント

• ほぼ全編に渡りニルス・ラングレンがファンキーに歌いつつトロンボーンをブイブイいわせる「R&B」アルバム
  
• ニルスの大好きなクルセイダーズの顔、ジョー・サンプルを招いてのサウンドはおおよそスウェディッシュらしからぬ南部フィーリング満載！

　北欧jazzの旗手、トロンボーン・プレイヤーでヴォーカリストでもあるニルス・ラングレンがジョー・サンプルと双頭名義でリリースしたソウルフルなヴォーカル・アルバム。ウィルトン・フェルダーこそ参加してないが、最近の準メンバーとも云えるレイ・パーカーjr.も全面参加するなど、さながらクルセイダーズ・フィーチャリング・ニルス・ラングレンと云った趣。サンプル＆ジェニングスの名曲の数々、アラン・トゥーサン、レイ・チャールズのカバーなどアメリカ南部のR&Bフィーリングいっぱいに聴かせる。スウェーデン人シェフの作ったガンボは具だくさんで旨味がたっぷり。意外や本場も唸らせる味わいの一皿に仕上げられている。


◇

　1987年、ニルス・ラングレンは夫人と共にロス・アンジェルスに住むスウェーデン人の友人達を訪ねて夏を過ごしていた。その友人内の一人にジョー・サンプル夫人のマリアンヌの知己が在り、ひょんな事からニルスはクルセイダーズのレコーディングにトロンボーン・プレイヤーとして参加することとなる。

　このエピソードは1988年に発表されたアルバム「LIFE IN THE MODERN WORLD」の録音時のもの。アルバム３曲目に収められた“A.C.(Alternatig Currents)”たった１曲のみの参加ではあったが、この後にサンタバーバラで行われたランディー・クロフォードをフィーチャーしたクルセイダーズのショーにもお声が掛かるなど、ニルス曰く「信じられないけど事実。忘れられない思い出になった」そう。

　ホーン・プレイヤーであるニルスにとって、クルセイダーズは常にお気に入りのバンドの一つだったのだと云う。その言葉にはお世辞や社交辞令など含まれはしないだろう。87年の思いも寄らぬセッションへの参加が彼に与えた影響は大きく、その感動や思いの丈を約20年の歳月を掛け昇華させたものが本作「CREOLE LOVE CALL」なのだ。

　二人の共作アルバムのアイディアはジョーにも受け入れられ、ニルスはそのオファーのすぐ後に行われたクルセイダーズの日本公演（2005年３月）にも参加することとなる。レコーディング全編にギターで参加し、オーティス・レディングのカヴァー②ではヴォーカルをシェアしたレイ・パーカーjr.ともここで初共演なったワケだ。

　ここでのお薦めはやはりサンプルのオリジナル・ナンバーだろう。ニルスのヴォーカルは決してお世辞にも上手いとは言い難く朴訥としたものだが、飾りのないその歌声はストレートで好感が持てるもの。お馴染み④や軽い仕上がりの⑦がやはり耳に心地良い。余談だが⑪はつい最近になって西城秀樹がレコーディングした、なんてハナシも有る。

　因みにラストのタイトル・チューン⑫のみインストで、ニューオリンズの香りがプンプンしてくるようなアレンジでのエリントン・ナンバー。そのタイトルにある「クレオール」って言葉は新大陸で生まれたスペイン系の人々を指すものだけど、ニューオリンズを発祥とするスペイン系とフランス系のフュージョン料理のことでもあるらしい。一般に知られるケイジャン料理はスペインの庶民派風で、対するこちらはやや上品なものなんだって。ま、これは音楽と関係のない、全くの雑学だけどネ(^^;。

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クレオール・ラヴ・コール ニルス・ラングレン&ジョー・サンプル (2005/10/20) インディペンデントレーベル この商品の詳細を見る

01. Get out of My Life Woman (Allen Toussaint)
02. (Sittin' on The) Dock of the Bay (Steve Cropper & Otis Redding)
03. Nightlife (willie Nelson)
04. Soul Shadows (Joe Sample & Will Jennings)
05. Brightest Smile in Town (Ray Charles)
06. Don't Take Your Love to Hollywood (Joe Sample & Will Jennings)
07. One Day I Fly Away (Joe Sample & Will Jennings)
08. With You in Mind (Allen Toussaint)
09. I Can't Get Enough of Your Love (Joe Sample)
10. Love the One You're With (Stephen Stills)
11. Same Old Story (Joe Sample & Will Jennings)
12. Creole Love Call (Duke Ellington)

■members
Nils Landgren : trombone & vocals
Joe Sample : grand piano & Fender Rhodes
Ray Parker Jr. : guitar & vocals
Chris Severin : acoustic bass
Raymond Weber : drums
Lenny Castro : percussion

-Special Guest-
Charmaine Neville : vocals

タグ：トロンボーン 北欧ジャズ スウェーデン ジョー・サンプル