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フランシアン・ファン・タイネン / "A PERFECT BLUE DAY" [Adult Contemporary]

Frencien Van Tuinen

Artist : Francien Van Tuinen
Title : "A PERFECT BLUE DAY"
Release : 2006
Style : Adult Contemporary (Female Vocal)

jazz度数・・・★★★☆☆ (3/5p)
お気に入り度数・・・ ※最高は5つ
Situation・・・もしくは
抜粋ポイント
  • オランダ産。爽やかで清々しい作風、歌声の女性ヴォーカル・アルバム
  • ギターで同郷のジェシ・ヴァン・ルーラーが全編参加
  • 余計な飾り気のないナチュラルでジャジーなサウンドはAORファンにもお薦め!

 すっきりと晴れ渡る青い空。優しくそよぐ風。ずっと続く緑の草原。そんなアルバム・ジャケットそのままをサウンドとしてイメージして貰えばいい。そして歌うは、気持ち良いくらいに飾り気のない女性シンガー・ソング・ライター。メイクはほとんどすっぴん。何でもなさそうな黄色のTシャツに洗いざらしのオリーヴ・グリーンのコットンパンツ。足下は裸足にビーチサンダル(?)だもん(笑)。本作の主人公、フランシアン・ファン・タイネンはこんな具合にどこまでもナチュラルで爽やかな歌声のヴォーカリスト。だけどその歌は、ちょっぴりせつなくて、ほろ苦い。




 たまたま店頭の試聴機で耳にしたオランダの女性シンガーソングライター、フランシアン・ファン・タイネン(表記によってはフランシエン・ヴァン・トゥイネン)のこの作品。僕は全く知らないアーティストだったけど本作がすでに3枚目で、日本盤として紹介されるのが初のアルバムなのだそうだ。ニッチだけどセンスの良いお洒落なセレクションで知られるセレストからのリリースと云うのも期待しちゃうポイント。

 ポップともジャズともフュージョン的とも云えるクロスオーヴァーなサウンドが心地良く、冒頭の数曲をちょっと流して聴いただけで即購入。加えてヨーロッパのみならずアメリカも含めたジャズ・シーン期待の若手ギタリスト、ジェシ・ヴァン・ルーラーが全編に亘りギターをプレイしていることもあって、そちらにも期待が持てると思ったのも購入理由の一つだった。

 家へ持ち帰り早速聴いてみる。

 アルバムを通して固定されたギター、ピアノ、ベース、ドラムのカルテットからなる、余分な装飾を廃してごくごくシンプルなサウンドとアレンジ。密度はスカスカなはずなのに、フランシアンの爽やかな歌声がこの演奏と重なると、もうこれ以上何の音も足す必要がないのだとすぐに理解した。ジェシの奏でるギターから、フルアコ特有の太く温かいトーンのサウンドが爪弾かれる。そして、ゆらゆらときらめくフェンダー・ローズの優しい音色が何とも心地良い。(※1曲、⑪が異色の人力ドラムンベースなのはご愛敬

 しかし、そのサウンドの心地良さに酔いつつも、歌に目を向けると詞は必ずしも春(フランシアンはこのアルバムは5月から始まるイメージで制作したらしい)の喜びに溢れるものではないことに気付くのだ。

 彼女の歌声が澄んだ透明感と清々しさをたっぷりと湛えているのでウェット感はそれほど強く感じさせないのだが、詞を読みながらじっくり聴くとなかなかにせつない。それはRichard RodgersとLorenz Hartの名曲“Spring Is Here”の詞にも似て、春が来たと云うのにどこかもの悲しいものなのだ。5月に始まった恋の行方は?。夏の陽差しはこんなにも輝いているのに私の心は・・・・・・。

 爽やかで優しい歌声とスッと染み込んでくるメロディ。シンプルだけど聴き応えのあるジャジーなサウンド。そしてせつない歌詞の絶妙の配合具合。タイトルの「BLUE」は空だけじゃなく、どうやら心模様と両方に意味が掛けられているみたいだね。

 長かった梅雨が明けてまだ10日足らずだけど、目も眩む様に容赦ない真夏の陽差しはもうたくさん。銀色の月明かりに思い耽る、センチメンタルナナツモワルクナイカモヨ。





ア・パーフェクト・ブルー・デイア・パーフェクト・ブルー・デイ
(2006/06/07)
フランシエン・ヴァン・トゥイネン

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01. On A Summer's Day
02. This Dream of Mine
03. Turn off the Moon
04. Ever After
05. Will We Still Dance
06. No. Seven
07. The Muse
08. Driving
09. Up on the Roof
10. My Heart Gets Weak
11. Sea
12. Out Here
13. Haven't We Met?

All Songs written by Francien Van Tuinen
expect track 4 and 9 written by Jesse Van Ruller,
torack 13 by Kenny Rankin & Ruth Bachelor

Francien Van Tuinen : vocals
Jesse Van Ruller : guitar
Joot Swart : piano & Fender Rhodes
Jeroen Vierdag : bass
Sebastian Kaptein : drums & percussion

Produced by Francien Van Tuinen

発売レーベル : セレストhttp://www.clst.jp/

※試聴は3曲に限り上記セレストのサイトで可能です。画面左側サイド・バーの“BRANDNEW”(06年08月09日現在)もしくは“CATOLOGUE”からFrancien Van Tuinenをチョイスして下さい。



文中に登場したアーティスト、キーワードに関連アルバム

♪こちらもオススメ。フランシエンの前作
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(2006/06/13)
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