ニクラス・ウインター / "BEAUTOPIA" [Contemporary / Fusion]
Artist : Niklas Winter
Title : "BEAUTOPIA"
Release : 2007
Style : Instrumental jazz / fusion (guitar)
◆jazz度数・・・★★★☆☆ (3/5p)
◆お気に入り度数・・・ ※最高は5つ
日本でも2006年にファイヴ・コーナーズ・クインテットがブレイクし、その活発なジャズ・シーンが一躍注目されることとなった北欧の国・フィンランドから、今度はヨーロピアン・ニュー・ジャズの実力派ギタリスト、ニクラス・ウインターの日本デビュー・アルバムが届けられた。現代的なクールネス、テクニカルで硬質な先鋭感などを有しながらも、根幹としてメロディアスであることに注力した彼の作品は、何かしら美しい光景を見て懐かしく感じる様な感覚も併せて内包し、我々日本人にとって、どこか情緒的な親近感の持てる演奏が展開されている。それと云うのも、この作品の全11曲中、7曲で演奏しているニクラス・ウインター・カルテット(NWQ)は日欧混成チームであり、元々は今作にも参加しているバークリー音楽院時代の学友、日本人ベーシストの島秀行と一緒に組んだユニットが活動母体となっているのだ。
リズ・ライト / "THE ORCHARD" [Adult Contemporary]
Artist : Lizz Wright
Title : "THE ORCHARD"
Release : 2008
Style : Adult Contemporary (female Vocal)
◆jazzっぽさ・・・★☆☆☆☆ (1/5p)
◆お気に入り度数・・・ ※最高は5つ
味わい深いスピリチュアルな歌唱力で心に染み入る歌を聴かせる若手実力派ディーヴァ、リズ・ライトの通算3枚目のフル・アルバムがリリースされた。リズ本人が作曲に携わる比重が増し、12曲中9曲がオリジナル楽曲となった新作は、ジャズ色こそさらに薄くなってしまった感もあるが、彼女のホーム・グランドであるジョージアのフィーリングを強く意識し、今まで以上にアーシーな味わいの濃い作品に仕上げられている。綿花畑の緑の中にひとり立ち、まっすぐに空を見上げる彼女の姿は、まさに大地に根差した南部のソウルを体現しているかのようだ。
メラニー・スカイベル / "JUST A CHASE AWAY" [jazz / Female Vocal]
Artist : Melani L. Skybell
Title : "JUST A CHASE AWAY"
Release : 2007
Style : jazz (female Vocal)
◆jazzっぽさ・・・★★★★☆ (4/5p)
◆お気に入り度数・・・ ※最高は5つ
ここのところ今一つ面白くないアメリカのジャズ・ヴォーカル・シーンに喝を入れるべく(?)、ひょいとテキサスから現れた実力派女性ヴォーカリスト、メラニー・L・スカイベルの日本デビュー作。落ち着いた中音域だが、適度に甘さ、艶、軽やかさを備えてべとつかず、なんともさっぱりとした耳に心地良い歌声の持ち主だ。
メラニーはピアニストでもあり作詞作曲、プロデュースまで自分でこなす才媛で、全11曲中8曲を占めるその自作曲はメロディアスで耳に馴染みやすく、曲調もスウィングあり、ボッサあり、コンテンポラリ風ありと多様性に富み、テンポ良く飽きさせない。また、そのサウンドは基本的にシンプルなものだが、アレンジ、演奏とも十分に洗練されていてスマートと好い事ずくめ。このアルバムは意外と「大穴」かもよ~。