ティル・ブレナー ~ 穏やかなハンサムガイは赤ワインの味わい [ライブ・リポート]
2004年11月6日(Motion Blue yokohama / 1st-show)
Motion Blue yokohamaでジャズ・トランペッター、ヴォーカリストのティル・ブレナーのライブを観る。およそ1時間余りのそのステージは、音楽によって身も心も穏やかに解きほぐされてゆく心地の、まさに「Mellow」な一時だった。声も、トランペットの音色も、演奏される楽曲も、そして容姿も、彼の全てが柔らかで甘い。
その甘さが決して諄くならないのは、彼の音楽のボディがしっかりしている為に他ならない。まだ若いが、口うるさい聴き手を黙らせるに充分なテクニックを持ち、加えて、切なさと云う程良い酸味も持ち合わせている。それらがミックスされたこの日の彼の「味」は、僕にはまるで極上の赤ワインの様にも思えた。