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ジョー・バルビエリ / "IN PAROLE POVERE" [Adult Contemporary]

Joe Barbieri.jpg

Artist : Joe Barbieri (ジョー・バルビエリ)
Title : "IN PAROLE POVERE" / 『素直な気持ちで』
Style : Adult Contemporary (male Vocal)
Release : 2009年07月22日
Label : OMAGATOKI
購入version : 日本国内盤 OMCX-1225
jazzっぽさ・・・★★☆☆☆ (2/5p)
お気に入り度数・・・[手(チョキ)][手(チョキ)][手(チョキ)][手(チョキ)] ※最高は5つ


 一部の熱心な欧州音楽ファンの間で“イタリアのカエターノ・ヴェローゾ”と称され評判になったナポリ出身のシンガー・ソング・ライター、ジョー・バルビエリの2004年作が日本国内盤としてオーマガトキよりリリースされた。
 ジャンニ・バッソやファブリツィオ・ボッソなどイタリア出身のハード・バップ系ジャズ・ミュージシャンが世界的に大躍進を飾る中、それに付随する形で彼等周辺で活動するヴォーカリスト達にも注目が集まっているが、今回ご紹介するジョーの作品はそれとは別に、輸入盤の地道なセールスやラジオのエアプレイが徐々に評判を呼んだものだ。




 バッソが参加するidea6にフィーチャーされ、爽やかなその歌声でファンを魅了するフランチェスカ・ソルティーノ、ボッソ率いるハイ・ファイヴが全面的にバック・アップし話題となった身長2mを超す巨漢ヴォーカリスト、マリオ・ビオンディ、そのハイ・ファイヴに続いてブルーノート・レーベルからデビューを飾った歌姫アリーチェ・リシャルディなどがその歌い手たちだが、基本的に彼、彼女らは英語で歌っている。イタリアに於いても、ジャズはやはり外来文化なのだ。イタリア語で歌われるジャズ・チューンが存在しないわけはないが、我が日本で紹介されることは、ハッキリ云ってごく僅かと断言してしまってよいだろう。ましてやCDが売れないと云われる昨今、ごく限られた大手CDショップしか扱わない様な欧州非英語圏のアーティストやジャズのコーナーは一番に縮小や取り扱い中止の憂き目に遭うジャンル。本来なら、バイヤーが一際個性を出したい部分なのだろうに、冷え切った景気がそれを許してはくれないのだ。それでもまだ女性歌手には或る程度の需要が有るからいい。ジャズ系音楽のファンは美人に弱いからね。でもそんな贔屓とは無縁の男性歌手はほぼ完全にスルー状態。ますますリスナーとは縁遠くなる一方だ。

 こんな状況下に於いて、日本では殆ど無名の男性歌手、それも若いアイドルのようなハンサムくんと云うワケでもなく、むしろ地味な坊主頭の中年オトコが収録12曲の全てをイタリア語で歌い通したアルバムを、輸入盤が好事家の間で評判になっていたとは云え、突然ポツリとリリースしようと云うのだから、オーマガトキ・レーベルの下した英断には大きな拍手を送りたい。

joe_barbieri02.jpg

 さて、余分な話はこれくらいにして、肝心の作品の話をしよう。ハッキリ云おう。よくもまぁこんな派手な仕掛けも何も無いアルバムを今リリースしようと思ったものだ。訥々と、静かに囁く様に歌うジョーの歌声は、まさにこのアルバム・ジャケットによって表されているムードそのもの。まだ初夏の頃だろうか。晴れた日の午後、庭の木陰にシートをひいて、寝転んで読書。ワインクーラーにはファランギーナか何かの地品種で作られた何でもないヴィーノ・ビアンコを冷やして。おやおや、優しくそよぐ風が心地良くって、いつの間にやらうとうとと微睡んでしまっているじゃないか。

 ジョーの音楽は南イタリア風サウダージとでも呼んだら好いだろうか。けしてシエスタの邪魔にならないよう、包み込むかの様な優しさで、静かにその場所に流れている。アコースティック・ギターの弾き語りやコントラバス、ブラシとのオーガニックなトリオにオルガンやエレピを混ぜ込み、フリューゲル・ホーンやフルートが絶妙のさじ加減でジャズやブラジル風味のエッセンスをふんわりと香らせる。基本はアコースティックなポップスと思って頂ければ間違いはないけれど、1つのみのカラーやジャンルには留まらない、さりげなく上質な大人の為のヴォーカル・アルバムだ。中でも、唯一AOR風に味付けされたM-5(下Youtubeにてお聴きあれ)が僕のお気に入り。

YOUTUBE "Stella di prima grandezza"

 




素直な気持ちで素直な気持ちで
(2009/07/22)
ジョー・バルビエリ

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※国内盤はM-4にボーナストラック有り。イタリア語歌詞、日本語訳詞、解説付き。

In Parole PovereIn Parole Povere
(2008/06/10)
Joe Barbieri

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01. In Questo Preciso Momento / 今この瞬間
02. Leggera / 君は軽やか
03. E Gia Sabato / もう土曜だ
04. Brillantini / キラキラ (国内盤ボーナス・トラック)
05. Stella di Prima Grandezza / 一等星
06. Pura Ambra / 無垢の琥珀
07. Sia / あるがまま
08. Sono una Grondaia / 僕は雨どい
09. Microcosmo / 小宇宙
10. Io Che Amo Solo Te / 君だけを愛する僕は
11. In una Stanca Indifferenza / 気だるく、さりげなく
12. La Nuda Verita / はだかの真実

Produced by Joe Bardieri

■Musicians
Joe Barbieri : vocal
Massimo Spinosa : piano
Antonio Fresa : piano
Gianfranco Campagnoli : flugelphone
Enzo Auturi : bass
Sergio di Natale : drums
Jose Antonio Molina : percussion
Pericle Odierna : Flute
...and more


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