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リーサ(リサ・ラヴブランド) / "EMBRACEABLE" [Adult Contemporary]

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Artist : Lisa
Title : "EMBRACEABLE"
Release : 2007
Style : jazz (female Vocal)
jazzっぽさ・・・★★☆☆☆ (2/5p)
お気に入り度数・・・ ※最高は5つ


 昨年9月のリリースからはちょっと時間が経ってしまっているけど、前エントリーに引き続きこちらもSpice of Lifeの“SWEDISH BEAUTY”シリーズからの第3弾、リーサのデビュー・アルバムをご紹介。ご覧の通りのうら若きブロンド美女の彼女は、スウェーデンはストックホルムの出身で、リサ・ラヴブランドの名でスティーブン・セガールの映画『沈黙の激突(原題=ATTACK FORCE)』などにも出演してハリウッドでも活躍する女優さんなんだって。僕はアクション映画に全く興味が無いので見てはいないけどネ・・・(^^ゞ




 「まろやかで、ロマンティックなアルバム。長い一日の終わりに聴いて、心が解きほぐされ、好きな場所へと連れて行ってくれるようなものにしたかったの」

 このアルバムの主人公リーサが語る彼女自身の目指したコンセプトのとおり、その甘い声に癒やされ、穏やかにリラックスして聴けるジャズ・スタンダードを中心としたバラッド集。リーサのヴォーカルは特にジャズのスキルを感じさせるものではなく、メロディーに忠実にしっとりと歌い上げるタイプ。ま、意地悪く云ってしまえば、ジャズ・シンガーとしては決して上手いとは云えないし、如何にもちょっと綺麗な女優さんが趣味でお洒落なジャズ・アルバム出してみました、ってのの典型とも取れてしまうかな。でもね、それはそれ。バックのサウンドがしっかりしてさえいれば、美麗なおねーさんが可憐な声で甘く歌い上げるロマンティックなスタンダードたちが世の多くのオトコどもの耳に心地悪かろうハズがないワケで、ええ、僕も決して嫌いじゃありません、って云うか、かなり好きです、ハイ(^^ゞ。

 とにかく聴いて欲しいのは、冒頭を飾るザ・ドアーズのヒット・ナンバー(#01)なんだけど、ピアノとWベース、ブラシで刻まれるゆったりとしたイントロは、ちょっと聴いてもお馴染みのあの曲だとは気が付かなかったほどのスロー・テンポ。ナイロン・ストリングス・ギターの音色がちょっぴりアンニュイな色を添え、やがて静かにリーサのヴォーカルが入って来ます。その歌声は、例えばソファーに座って聴いている僕に後ろからそっと近付いて、ほっそりしたその腕を、そっと優しく僕の首に絡めてきたかと思うと、そのまま顔を近付け、耳元でふっと零した吐息のよう(完全に妄想に没入中・・・苦笑)。かと云って、その吐息はセクシーに過ぎる濃厚なものではなく、どこか軽やかな可憐さも持ち合わせているから、爽やかささえ感じちゃう。こんな声で「ねえ、私のハートに火をつけて。私の炎を焚きつけて燃え上がらせて欲しいの」なんて甘~く囁かれたら、ま、大概のオトコはコロリとカンタンに陥落しますわな(^^;。

 以降は唯一のオリジナル(#08)を除いてスタンダードがずらりと並ぶ構成。

 ハリウッドで活動しているだけあって、多彩な交友人脈も持っているようで、アルバム・タイトルの元になっていると思われるガーシュイン・ナンバー(#02)ではジャズ界屈指のハンサム・トランペッターのクリス・ボッティが“お友だち”としてゲスト参加しています。

 またAORフリークには特に驚きの、デヴィッド・フォスターが久々にシンガーとしてその喉を披露している(#05)も要注目!。きっと彼のファン全ての方が、自らプロデュースを手掛けているワケでもないのに、どうしてこの新人のオンナノコのアルバムで歌う事になったんだ?と疑問に思った事でしょう。彼は自分のヴォーカルには自信が持てないと、もうずっとその歌声を封印して聴かせてくれませんでしたからねぇ。

 今回その楽屋裏がどうなっていたかと云えば、どうやらリーサがデヴィッドの大ファン(20代のうら若い女性としては目の付け所が良いよネ)で、自ら歌ったデモを彼に送ったところ、デヴィッドが気に入って二人の交友が始まり、以来リーサの良きアドバイザー的存在となっているのだとか。その彼女のたっての願いで、渋るデヴィッドも久々に録音ブースのヴォーカル・マイクの前に立ってくれたと云う次第。彼の書き下ろしオリジナル曲ではないのが少々残念なところですが、デュエット曲として選ばれたこの曲もロマンティックでとても素敵なナンバーですから、彼がその昔歌ったバラッド、"THE BEST OF ME"がずっと忘れられない向き(=僕です)には一度は聴いてみる価値アリだと思いますよ。

 



 ハッキリ云って、本アルバムはジャズを難しく語りたい方にはオススメできません。きれいなおねえさんに弱いヒト向けです(笑)。かと云って、決して内容の薄い、レベルの低いアルバムじゃありませんよ。気になるところと云えば、残念ながら数曲でストリングスがシンセだったりする曲もありますが、そんなに安っぽくも感じないないから大丈夫。あまり僕は名に覚えはありませんが(と、云うより北欧系の人たちの名前は正しい音読が分からないので、ちゃんと覚えるのが難しいですね・・・^^;)、スウェーデンのミュージシャン達の演奏する歌伴はとても堅実なもの。安心して聴いていられます。※ちなみに録音はストックホルムにて。

 リーサ本人が云ってる様に、ロマンティックな時間を欲してるアナタに是非聴いて頂きたい1枚です。どうぞ、彼女の声でとろーり、あまーくとろけちゃって下さいな。


エンブレイサブルエンブレイサブル
(2007/09/26)
リーサ、デヴィッド・フォスター 他

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01. Light My Fire
02. Embraceable You (with Chris Botti)
03. Smile
04. Man I Love
05. When I Fall In Love (with David Foster)
06. Nearness Of You
07. These Foolish Things
08. Seagulls
09. Come Rain Or Come Shine (with Paul Buchanan)
10. Good Morning Heartache


試聴はこちらから↓
http://www.spiceoflife.co.jp/sb_cd03_l.html




◆本文に登場したアーティストなど関連作
 ザ・ドアーズ ※"LIGHT MY FIRE"収録
The DoorsThe Doors
(2007/03/27)
The Doors

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 デヴィッド・フォスター ※"THE BEST OF ME"収録
ザ・ベスト・オブ・ミーザ・ベスト・オブ・ミー
(2004/08/18)
デビッド・フォスター

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 クリス・ボッティ最新作
ItaliaItalia
(2007/09/25)
Chris / Parks, Dean Botti、 他

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 興味のある方向け、スティーヴン・セガール主演のリーサ出演映画。リーサはセガールの恋人役という、結構重要な役柄設定だそう。
沈黙の激突沈黙の激突
(2008/03/19)
スティーヴン・セガール、リサ・ラヴブランド 他

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