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ジョイス・クーリング / "REVOLVING DOOR" [Contemporary / Fusion]

Joyce Cooling

Artist : Joyce Cooling
Title : "REVOLVING DOOR"
Release : 2006
Style : fusion (guitar & female vocal)
jazzっぽさ・・・★★☆☆☆ (2/5p)
お気に入り度数・・・
 ※最高は5つ

 ここのところ僕が運転中に一番リピートしてるがこのジョイス・クーリング。こんなルックスの女性ギタリストだからプレイは・・・なんて侮ること無かれ、ムードばかりで内容の無いそんじょそこらのつまらないスムース・ジャズとは大違いなんだから。乾いたギターの音色、フレージング、ブルージィーな歌声は相変わらず「冷めてて」カッコいいし、それでいてメロディーが心地良く耳に残るジョイス節は今作も健在。以前と比べると、ソロなど負けん気を表に出してガンガン弾きまくるって感じじゃなくなってるけど、今は1音1音をより大切に奏でてるみたいだ。




 どんな音楽にだって似合いのシチュエイションってあるものだ。ただただCDプレーヤーに正対してヘッドフォンで聴いてもピンと来なかったサウンドも、ひとたび屋外へ連れ出すと俄然輝いて聴こえたり、ひとりのドライブ中に流せば、パブロフの犬みたいで何だかおかしな気もするけど、急に夕日と海が見たくなってしまう曲だってある。

 そう云う意味では、このジョイス・クーリングのアルバムは僕にとって自動車のドライブよりも、本来はむしろジョギングや自転車に乗っている感覚がする音楽に思える。顔に直に風を受けて、自分の足の力で走っている感覚がする音楽なのだ。気持ちが乗ればスピードを上げて走り、疲れたら少しスローダウン。時には立ち止まってぼんやり時を過ごしても好い。少し休んだら、また走り出そう。そんな具合に、機械じゃなくて、あくまでも人間自体が出来る行動の波長に合った音楽。

 スムース・ジャズと云う、感情が込められているんだかどうだかも判らない無表情な音楽が大嫌いな僕が、何故かジョイスの音楽には惹かれる。それは彼女の音楽がこんなふうに、人間くさくアナログで、人肌の温もりが感じられる気がするからなのかもしれない。

 こんなふうに云うと、ジョイス本人はきっと嫌がるかもしれないけど、たとえば心地良い響きのエレピの上をナイロン弦が躍動的なメロディを奏でるキャッチーな④などを聴いていると、僕はメゾフォルテとかフルーツケーキだとか、82~84年くらいに好きだったフュージョン・グループを喜んで聴いていた頃と同じような気持ちになれるのだ。何か懐かしいようでいて、でもフレッシュ。この感覚って何だろう。若かった頃の溌剌とした気持ちを思い出すのかな?(苦笑)。どこまでも、ずっと走って行けそうに思えたように。

 今作は歌物がブルージーでおとなしめのスロー・ナンバーやフォーキーな弾き語りなので、彼女の歌にAOR的要素を求める方には、聴き始めちょっと地味なイメージがするかもしれない。だけどその分インストのアップ・テンポがキャッチーなメロディーで心地良い対比をなしているので心配ご無用。アルバムを通して聴き込むうちにトータルでその起伏がジワジワと気持ち好くなって来るような作りになっているから。

 スムース・ジャズじゃなくって、ちゃんとしたフュージョンのギター・アルバムが聴きたい。最近そんなふうに思ったことがあるあなたなら、ぜひぜひジョイス・クーリングをお試しあれ。




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Revolving Door Revolving Door
Joyce Cooling (2006/09/12)
Narada Jazz

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01. Mildred's Attraction
02. Cool of the Night
03. Revolving Door
04. At the Modern
05. I'll Always Love You (Ode to the Audience)
06. Come and Get It
07. Little Sister
08. In Case of Rain
09. Jesse's Bench
10. One Again

All songs written by Joyce Cooling and Jay Wagner

■Musicians
Joyce Cooling (guitar; lead & back vocal)
Jay Wagner (Keyboards; bass pedals; background vocal on②)
Billy Johnson (drums on ①,④,⑦ & ⑨)
David Garibaldi (drums on ③,⑥ & ⑦)
Celso Alberti (drums & percussion on ②; percussion on ⑧)
Peter Michael Escovedo (percussion on ①,②,④, & ⑨)
Jamie Brewer (bass on ①,③ & ④)
Ray Obiedo (additional rhythm guitar on ①)
Bill Ortiz (Trumpet on ①,③ & ⑥)
Vincent Lars (tenor sax on ⑥)

pruduced by Jay Wagner


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