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マレン・モーテンセン / "MALENE" [Adult Contemporary]

Malene

Artist : Malene Mortensen
Title : "MALENE"
Release : 2006
Style : Adult Contemporary (female vocal)
jazzっぽさ・・・★★☆☆☆ (2/5p)
お気に入り度数・・・
 ※最高は5つ

 2005年の日本デビューから1年のインターヴァルで届けられたマレン・モーテンセンの新作は彼女と母国を同じくするデンマークの人気ベーシスト、クリス・ミン・ドーキーによるプロデュース作品。前作までは、クリスの兄でピアニストのニルス・ラン・ドーキーが手掛けていたわけで、マレンという素材を目の前に、兄弟二人がいかなるサウンド・アプローチの違いを見せるかも、なかなかに興味深い聴きどころだ。

Malene's official web site : http://www.malenemortensen.com/
Label's web site : http://columbia.jp/artist-info/malene/COCB-53589.html




 本作では1曲目からクリスのアップライト・ベースがグイグイと攻め込み、サウンドを引っぱる。それに乗るマレンはやや抑え気味のヴォーカルでクールにグルーヴ。この1曲目のノリを感じただけで、明らかにマレンにとってクリスの起用がプラス方向に出ていると確信させるスタイリッシュな出来映え。クリスのクラブ・サウンド嗜好の一面を垣間見るようなサウンドだ。とは云えクリスは“ノリ”だけのベーシストではないのはジャズファンにはよく知られているところ。もともと自己のソロアルバム『LISTEN UP!』でもクールで現代的なもの、メランコリックで叙情的なサウンドを濃淡上手に織り交ぜていた彼なので、ここでもスロー・テンポではマレンの可憐な歌声がより一層引き立つ、彼ならではの美しいサウンド・ディレクションを効かせている。

 全体を通して、決して派手な作りではないのだが、聴き込むほどにメロディーが耳に馴染んでくる佳作。ゲスト・ミュージシャンにマイク・スターン、アダム・ロジャース(共にg)、クリス・ポッター(sax)など通好みの名前とともにフリューゲル・ホーンでTokuのクレジットも見られるのは親日家のクリスならでは、かな?。


 マレン・モーテンセンその人についての情報も、服部のり子さんの書かれた日本盤のライナーから少々かいつまんでお伝えしておく。

 マレンは1982年、デンマーク生まれ。もうじきに25歳になるという、まだまだ若い女性ボーカリストだけど、その少し憂いのある表情と声は実年齢よりも落ち着いたイメージを漂わせる。また、スラリとした彼女の肢体はモデル並みの美しさだと云うことも付け加えておこう。

malene02

 父がヨーロッパで活躍するコンポーザー兼アレンジャーで、なおかつトランペッターでもあり、若くして亡くなってしまった母はドラマーだったそう。おまけに父の再婚相手が今度は音楽理論教師と云う、まさに音楽一家に育った彼女はごく自然に音楽を始め、2003年、21歳にして前述のニルス・ラン・ドーキーに見出されてデビューを飾る。このアルバムが評価され、2005年には北欧No.1のジャス・レーベルと云われるSTUNT/SUNDANCEに移籍し、2ndアルバム『DATE WITH A DREAM』をリリース。そして1年のインターヴァルを経て2006年にリリースされた3rdアルバムがこの作品と云うわけ。


 さて、肝心のアルバムの内容はと云うと、全12曲中マレン自身が作曲に関わった7曲がオリジナルで、5曲がカヴァー・ナンバーといった構成になっている。

 ①が前述のようにクラブ・サウンド的なアップテンポで始まるものの、実はアップ・テンポはこの曲のみ。以降はミディアム・テンポからスローなナンバーが中心となっているのだ。アコースティックでちょっぴりアーシーな味付けな②、ブラシと優しいピアノの音色の上をリラックスしたムードで聴かせる③とスローな曲が続き、儚げな歌声で迫るジャジーな④もやはりゆったりとしたナンバー。

 先に地味な印象に取られるかも、と書いたのは、結局アップ・テンポが冒頭の1曲しかないために、一聴しただけではアルバム全体の抑揚が感じ難くなっているのは否めないのだ。これが僕のお気に入り度合いが控えめな理由でもある。

 ただ、曲調には様々なヴァリエイションが付けられているのでそれほどの単調さは感じさせず、むしろ聴き込むほどに耳に馴染んで来るもの。TOKUがフリューゲルホーンを聴かせるイーグルスの⑥、マイク・スターンのギターがブルージーにいなたく鳴り響くボニー・レイットの⑨などはなかなかに好い出来映えのトラックだと思う。

 次作はぜひアルバム・トータルでの抑揚の付け方をもっとリスナーに解りやすい形で聴かせられる構成にしたら、今よりずっと人気が出るんじゃないかな?と僕は思うのだけど、如何なものだろう。




MALENE MALENE
マレン・モーテンセン (2006/12/20)
コロムビアミュージックエンタテインメント

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01. Temptation
02. Morning Sun & Velvet Moon
03. City Love
04. Another Day
05. Laughin' at Life
06. Desperado
07. November Came
08. Where Would I Be Without You
09. If You Gotta Make a Fool of Somebody
10. Sea of Lies
11. Empty Skies
12. Aarestrup I Marts


↓こちらは2005年リリースのセカンド・アルバム

デイト・ウィズ・ア・ドリーム デイト・ウィズ・ア・ドリーム
マレン・モーテンセン (2005/09/28)
コロムビアミュージックエンタテインメント

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