SSブログ

ジル・ジェンソン / "JILL JENSON" [Adult Contemporary]

Jill Jenson


Artist : Jill Jenson
Title : "JILL JENSON"
Release : 2006
Style : Adult Contemporary (female vocal)

jazz度数・・・★★☆☆☆ (2/5p)
お気に入り度数・・・ ※最高は5つ
Situation・・・

 ボブ・シーガー、ロバート・パーマーとの共演歴があり、現在はグランド・ファンク・レイルロードのツアーに参加していると云うシンガー・ソング・ライター兼プロデューサーのTim Cashionhttp://www.timcashion.com/)。その彼に見出されデビューした女性ヴォーカリスト、Jill Jensonのデビュー作を紹介しよう。これはAOR系のファンにはみっけもの!の1枚になるかもよ。




 先ず、プロデューサーのTim Cashionってどんやヤツだ?と思って、多少Net検索を掛けてみたのだけれど、殆ど詳しいことは分からなかった(カシオン?、それともケイシオン?、と姓名の発音さえはっきりしないので、ここでは日本語表記しません)。彼のサイトも過去作CD(共に6曲入りのミニアルバム的作品)が試聴出来て、一言メッセージが添えられているだけの簡素なもの。過去のプロフィール的な記述は一切無い。

 しかしここで試聴出来る『Find Us On The Dial』(2006)がなかなかの出来。AORファンならば、「おやっ」と思うこと請け合いなのだ。声質はデヴィット・パックにも似た、甘く爽やか路線。ファルセットを使うと本当によくパックとイメージが重なるし、コーラスの重ね方も同様。またギター・オリエンテッドな彼のアレンジメントは、かつて70年後半から80年半ばまでのルカサーのセッション・アルバムを夢中で聴き漁ったような同好の士には、きっと好感を以て迎えられるハズ。加えて“I.G.Y”がすぐに思い出されるようなドナルド・フェイゲン的ホーン・アレンジが展開される曲もあり、これまた面白いトコロ。

 この作品、CD化してはいるようなのだが、業界向けプロモート用と割り切っているのか?、彼のサイトでは試聴が出来るだけで一般リスナーの購入方法については一切触れられていないのが残念なところだ。ただし、年末に新作発表も考えているようなので、彼の作品が広く一般に向けリリースされるのも、そう遠い日の事では無いかも知れない。

 いきなり主役のジル・ジェンソンを差し置いてプロデューサーの話から始めてしまったが、僕が全く知らなかったこのティムと云う男。コーラスやギターは元より、このアルバムのサウンド・インストゥルメントの殆ど全てを一人でこなしてしまったマルチ・プレイヤーなのだ。コンピュータ全盛のご時世、打ち込みを活用すればそれは差して珍しい事ではないと思うけど、ドラムやベースは、僕には限りなくきちんとした生身の演奏に聞こえるレベルのもの。チープな打ち込み感は一切感じない。当然ホーンやギターのソリスト、パーカッションなどサポートも入ることは入るけど、それを差し引いたってこの多才ぶりには興味を惹かれてしまう。



 さて、後回しになってしまったが本来の主役ジル・ジェンソン

 残念ながら、現在のところこの日本では、たまたま彼女の音楽に触れる幸運に恵まれた、ほんの僅かな音楽ファンを除いては、彼女の存在や名前など、ほとんど知られていない。歳の頃なら30後半~40代(?)の見慣れぬ女性ボーカリストが微笑むアート・ワークだけで判断したならば、きっと地味目なジャズ・ボーカル・アルバムなどを想像してしまう人も多いだろう。実際、僕もそのルックスからジャニス・シーゲルみたいな声、内容を想像していた。ところが出て来た声は爽やかで耳に心地良く、サウンドはAOR、フュージョン・ボーカル・ファンが諸手を上げて大喜びしそうなアダルト・コンテンポラリ。フュージョン的アプローチを採っている時のヴァネッサ・ウィリアムスやワークシャイ辺りを思い浮かべて貰うと近いラインかも知れない。

 ジルはエラ、サラ、カーメンのジャズ界に君臨したヴォーカル三大女王に多大な影響を受けたという。ただ、このアルバムで聴かれる彼女の歌声は爽やかでクセのない伸びやかなもので、手法も特にはジャズに対する傾倒を色濃く匂わせるものではないが、適度にR&B的な黒っぽさを滲ませて、如何にもフュージョン・ヴォーカルやAORのファンが好みそうなヴォーカル・スタイルと声質をしている。

 尚、参加ミュージシャンには、Chuck Loeb(g)、Brian Monroney(g)、James Genus(b)、Bashiri Johnson(per)、Jose Rossey(per)らがクレジットされ、エグゼクティヴ・プロデューサーとして大御所マット・ピアソンの名前も記されている。




下のジャケット・フォトをクリックすると試聴可能なAmazonのサイトが別ウインドウで開きます

Jill Jenson Jill Jenson
Jill Jenson (2006/06/06)
Bai Mai

この商品の詳細を見る


01. Sunshine Away (04:09)
02. That's the Way of the World (04:03)
03. Little World (05:13)
04. 100 Percent (05:04)
05. Jetton Park Monarch Interlude (01:06)
06. Where Do I Begin? (03:29)
07. Find My Way (04:24)
08. Lookin' out for Love (04:25)
09. If You Don't Love Lovin' (04:18)
10. You Are There (04:46)
11. Crystal Blue Persuasion (04:19)
12. Make Believe (04:25)
13. Butterfly (04:15)
14. Place in His Heart (03:35)

■Musicians
Tim Cashion(produce,g,key), Chuck Loeb(g), James Genus(b), Bashiri Johnson(per), Jose Rossey(per), Brian Monroney(g)



このアルバムはこちらのblogでも紹介されています

'ROUND MIDNIGHT'S WEBLOG "Jill Jenson / Jill Jenson"

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。