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Gerald Albright "Live2005@Blue Note Tokyo" [ライブ・リポート]

Gerald Albright_Kick'in It Up.jpg

 8月28日、L.A.のファースト・コール・サクソフォン・プレーヤー、ジェラルド・アルブライトのたった1日のBlue Note TOKYO公演に出向いた。前回僕が彼のライブ演奏に接したのは、渋谷・道玄坂のプライムの中に在ったせいよう広場(なつかし~!)で行われた、渡辺貞夫プロデュースのKIRIN THE CLUBでのこと以来なので、実に14年振り!。その時はボビー・ライル(key)、ポール・ジャクソンJr(g)と共に、ATLANTICレーベルを代表するjazz/fusion系のインストゥルメンタル・アーティスト3人で組んだスペシャル・プロジェクト、「ATLANTIC ALL STARS」としての公演だったから、純然たる彼のソロ・ステージは今回が初めてなのだ。さてさて、どんなステージになるのかな。

Gerald Albright's official web site : http://www.geraldalbright.com/
※ご注意下さい、上記URLは音付きサイトです!。

【SET LIST】・・・8/28/'05 (1st stage)

1.G & LEE
2.BERMUDA NIGHTS
3.WALKER'S THEME
4.IF YOU DON'T KNOW ME BY NOW
5.TO THE MAX
6.TOO COOL
7.KICKIN' IT UP
8.GEORGIA ON MY MIND

■Gerald Albright(sax), Tracy Carter(key), Darlene Moreno(g), Melvin Davis(b), Tony Moore(ds)
 

 先ずは直截な感想一言。音がめちゃでかい[exclamation][あせあせ(飛び散る汗)]

 すっかり忘れていたけど、演奏が始まってすぐに思い出した。14年前も「なんてでかい音で朗々と鳴るアルトなんだろう」って感心させられたんだっけ。ジェラルド・アルブライトの吹く姿やその音に接していると、サックスってこんなにも簡単に音が出て、かつ強弱のコントロールが自由に出来るモノなの?って勘違いしてしまいそうになるよ。彼のサウンドはシンギング・サックスと呼ばれてヴォーカルになぞらえて語られることが多いけど、本当に思いのまま、人の喉から直接発せられる声のように自由にメロディーを奏で、そして歌えるんだ。




 ステージは意外な1曲からスタート。まさかこの曲はやらないだろう、と思いつつ前日復習の為に何気なく聴いていた“G & Lee”。これは94年にリリースされたアルバム、『SMOOTH』からの1曲で、「G」はジェラルドの頭文字、「Lee」はこの曲でゲストとしてギターを弾いていたリー・リトナーのことだ。

 今回そのリーの代わりにこの曲でソロを取るギタリストはダーレーン・モレノ(g)。僕は今まで全くノー・チェックのこの女性ギタリストは、遠目にハッキリとは確認出来なかったけど、フェンダーの黒いロベン・フォード・モデルらしきギターをブルージーにプレイしていた。特に目立つテクニカルなプレイも耳に残るソロ・フレーズも無しで、とっても普通なバッキングに終始。可もなく不可もなくって感じで、ギター好きにはちょっと物足りなかったかなぁ。

 それでもジェラルドのプレイはすでに1曲目から全開。後半のアドリブは、すでにこれが今日のハイライトかと思わせるような高速運指とロング・トーンとで客席を湧かせてくれた。すごいっ!、かっこいい!!。この時点で既に完璧に参りました、ワタクシ。
 満場に響き渡る拍手が止まぬ内、2曲目には聞き覚えのある大好きなイントロが流れ始める。懐かしい88年の2ndアルバムから、タイトル・チューンの“BERMUDA NIGHTS”だよ!。いや~、これも僕にとっては嬉しい選曲で思わず頬が緩む。この頃のアルバムは、当時本当に大好きでよく聴いてたもの。ジャケットのアートワークそのまま、黄昏の海に吹く潮風のように爽やかなメロディーが耳に優しく心地良いんだなぁ~。

 続いて、ようやく最新アルバム『KICK' IT UP』(2004)から、明るいアップテンポ・ナンバーの“WALKER'S THEME”を。メロディーがキャッチーで、誰にでもすぐ口ずさめそうなこの曲はまさにシンギング・サックスの真骨頂。ジェラルドのアルトが存分に歌う。

 一転お次はテナーに持ち替えてのバラッドで、ソウル・クラッシックの“IF YOU DON'T KNOW ME BY NOW”を、これぞまさにSoft & Mellowの極み!と云うあまーいムード。すぐ側で観ていた女の子の頭が、自然とうっとり隣の彼氏の肩に枝垂れかかるのも致し方無しだよね~、これはもう・・・(笑)。ジェラルドの囁くような柔らかで優しいブレスに、こちらも溜息が出そう。

 そして再度『KICK' IT UP』から、ジェラルドの作品中最高のチャート・リアクションで、19週に渡りトップの座に在ったと云う、ジェフ・ローバーとの共作“TO THE MAX”をファンキーに熱く奏で始めると会場の熱気も最高潮。中には席を立ち踊り始める観客の姿もチラホラ出現。僕はまだ座ってたけど・・・(笑)。




 せっかく(?)あつ~く盛り上がったと云うのに、ジェラルドはサラッとクール・ダウン。トラディショナル・スタイルのジャズ・ナンバー“TOO COOL”をこちらもテナーでプレイ。

 ここでようやく、散々お待たせしてくれましたよ、メルヴィン・デイヴィス(b)のソロ・プレイ。リトナー・グループで名を馳せた彼を観るのも今回の僕のお楽しみの一つ。この曲では7弦ベースの高音弦を使ってギター・ライクでメロディアスなソロを展開。途中控えめながらスキャットも織り交ぜて聴かせてくれた。ジェラルド自身がベース・プレイヤーでもあり、オリジナルの多くで彼がレコーディングをしている事もあり、そのラインを忠実に演奏する意図もあってか、メルヴィンの演奏としては全般に大人し目だったのがちょっとばかり残念。結構座ったままだったしね~。もっと派手にハジける彼もたくさん観たかったかなぁ。

 そして、いよいよのクライマックスに用意されていたのは、またもファンキー・チューンの“KICKIN' IT UP”
 長いイントロが続く。メルヴィンが持ち替えた5弦ベースもここぞとばかりにスラップで唸りを上げて、トニー・ムーア(dr)とともに「真っ黒い」グルーヴを作り出してゆく。その上をダーレーン・モレノがリズミカルにカッティング・ソロを刻み続け、今回のミュージカル・ディレクターでもあるキーボードのトレーシー・カーターもキメキメのシンセ・リフで、この期に及んでまだ席に着座したままの客席を煽る。もう我慢出来ない。立とう!。総立ちとまでは行かないが、多くの観客がここで席を立ち、このサウンドとリズムに身を委ねた。そして、ジェラルドのアルトはやはり最後まで朗々と歌い続け、このオーディエンス達を最後まで熱く魅了し続けてくれた。




 例によって1時間ちょっとのステージだったけど、僕も久々に席から立ち上がってしまったくらいに熱く、濃縮された1時間だった。でも同時に、ジェントルな彼の人柄に合わせたかのように客席も同様で、ステージの彼に贈る拍手は熱くても、どこか優しく落ち着いたオトナのムードに溢れていて、演奏する側も見る側も、とっても好い雰囲気の素敵なライブだったなぁ~。最後にアンコールでは“GEORGIA ON MY MIND”をブルージーに聴かせてくれて終演。次回の来日も絶対に見逃したくないな、って心から思わせてくれたよ。大満足!。

 アメリカでは現在ジェフ・ローバーとカーク・ウェイラムとともにグローヴァー・トリビュートのライブを行っているそうだけど、日本でもやってくれればいいのになぁ。カークのテナーと、ジェラルドのアルトが同時に生で聴けるなんて本当に羨ましいよ~。BNのブッキングご担当様、ぜひ御一考お願い申し上げます!!。

 ん、レイラ・ハザウェイがゲスト・ヴォーカルで、チャッキー・ブッカーがミュージカル・ディレクター&キーボードっつーのも観たいかも・・・って、自分のブログでの独り言を良いことに、ワガママ言い放題なワタクシです(笑)。



Kickin' It Up

Kickin' It Up

  • アーティスト: Gerald Albright
  • 出版社/メーカー: Grp Records
  • 発売日: 2004/06/08
  • メディア: CD



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