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松原正樹 "LIVE@STB139 with special guest 山本潤子" [ライブ・リポート]

松原正樹_live2005

 7月11日(月)、六本木のSTB139で行われたギタリスト・松原正樹のライブに出掛けて来た。
 この日の目玉は何と云ってもマッつあんの初期のキャリアの中でも特に重要な位置を占め、レコーディングにライブにとサポートを行っていたハイファイセットの山本潤子がスペシャル・ゲストだって云うこと。有りそうで暫く無かったこの組み合わせ、僕には絶対見逃したくない、本当に楽しみな一夜だった。

松原正樹 web site http://www.matsubaramasaki.com/
(以下、基本的に敬称を略して書かせて頂いてます。悪しからず^^ゞ)




 今年1月10日、NANIWA EXPのギタリスト・岩見和彦と共演した“INSTRUMENTAL HEAVEN the TWIN GUITAR”以来、松原の演奏を聴くのは半年振り。この日は前回に引き続き、あの時以来すっかり意気投合したという岩見を再度招いての共演だ。
  
 メンバーはその岩見かずぼん(g)を含め、田中栄二(dr)、村上聖(b)、南部昌江(key)+御大将・松原正樹の5人。この日までにこの顔ぶれで関西ツアー・5公演をこなし、この日がツアー最終日。「ワゴンに乗ってみんなで旅して、気心も知れてまとまって来た」と松原も話していたとおり、「企画としてのバトル」がどこかに匂ってしまい、お互いによそよそしく見えた1月の前回とは比べものに成らない程の一体感のあるグルーヴを聴かせてくれた。


 ステージは松原正樹with今剛の名義でaosisからリリースした『GUITAR BROS』(2003)に収められていた“EYE SHOT”で始まると言う、ちょっと意外な?スタート。TOWER OF POWERを彷彿させるファンキー・チューンで、岩見のリズミカルなカッティングの上で、エッジの効いた松原のギターがうねる。
 岩見との共演を、長年のコンビ=ギター兄弟とも言える今と録音した曲から始める。それは、一旦一緒にステージに上がってしまえば、今日のGuitar Brosは俺たち二人。一緒にドライヴしようぜ!。岩見に対する、そんな松原のメッセージを含んだ選曲なのかな、などと勝手に思う。マッつあんの思い遣りに篤い人柄を伝え聞く限り、有り得ない話でもないだろう。
 
 引き続いて2曲目は『GUITAR TALKS』から“TRUE LIES”を。
どちらかと言うと、大きい振幅のビブラート多く効かせた、サンタナ・チックにねちっこい音色でロック・フィールが強いプレーをする岩見のようなタイプのギタリストを、僕は過去にあまり聴いてこなかった。そのせいもあって前回は、ちょっと組むには毛色が違い過ぎるんじゃないの?などと思ってしまったのだが、今回はそんな余計なことを微塵も感じさせない息の合ったツインギター・アンサンブル。さすが百戦錬磨のキャリアが為せる技、5ステージもこなせばきっちりアジャスト出来てしまえるものなんだろう。僕はたったの2曲で、1月以来ちょっとした違和感を感じ続けて来た岩見とのコンビに、今日は簡単に取り込まれてしまったらしい。後はすっかり彼らのペース。安心して観ていられる楽しいステージとなった。 


 さて、今回は8月についに念願のソロデビューが叶い、アルバムを発表する松原夫人・南部昌江の作品を2曲披露した他、岩見の作品も2曲取り上げたり、田中栄二の「ひろしネタ・コーナー」(これ、大ウケで大爆笑)、村上聖のベース・ソロ+ヘッドマイクでヴォコーダー風ヴォイスを使ったパフォーマンスなど、随所に見所満載のライブだったのだが、やはり何と言っても今日はスペシャルゲストの山本潤子に尽きるだろう。

 休憩を挟んだ第2部の冒頭より出演した山本は、いきなり“卒業写真”を歌ってくれた。会場には先ほどまでの熱いステージとはうって変わって柔らかな空気が流れる。松原はGibson335の甘いトーンで歌伴。和音でのハンマリングが何とも言えず「気分」な音だ。続いてこれまた嬉しい“スカイレストラン”とジョビンナンバーの“NO MORE BLUES”の2曲を。
 面白かったのは和洋のボッサ・アレンジのナンバーを2曲続けたわけだが、“NO MORE~”を聴くと彼女のボッサにはサウダージ感があまり無いことに気が付く。何とかなるさじゃなくて、もっと生真面目なイメージなのだ。ボサ・ノヴァっぽく無いと言えばそうなのかもしれないけれど、逆にどこかお洒落なフレンチポップスを聴いている様な気分さえする。これって歌い手御本人のキャラクターの問題なのかな?(笑)。
 事故のこと(→5月13日のブログ)も有って、当初は無事に回復しているのだろうか?との心配もしていたのだが、始まってしまえば全くそんなことを感じさせない普段通りの歌声。綺麗で、そっと語りかける様に優しいこの人の歌は、やはり唯一無二のものだ。
 そうそう、最近とみにハードなロック路線となっている松原のステージに、やや場違いな心地がしていたのか、MCでは「脳天かち割れる様なギター」と形容して話していたのが僕には何とも可笑しかった。懲りずに遠からず、また共演を見せて欲しいものだ。


 ワインを2本空けたお陰で(・・・苦笑)、生憎演奏された曲目やギターはそれぞれに何を使っていたかをきちんと書き留めて来なかった(来られなかった)のだが、後半も“EDEGE”とか結構ハードなロック寄りの曲が多かったように記憶している。そんな中、またも『GUITAR BROS』からのナンバー、“RIVER AGE”を演奏してくれたのが、今回特に嬉しかった。「人生を川の流れに喩えて」作ったと言う、美しいメロディーを持った、壮大に広がるバラッドだ。aosisでの作品はなかなかライブで聴けない曲もあるので、特に気に入りのこの曲が聴けて大満足。
 もちろん大定番の“SNIPER”も、この日初めて見るVaritaのゴールド・イエローの派手な杢目のレスポールで演奏してくれたし、アンコールは再度山本潤子登場で“翼をください”の大合唱と、盛りだくさんで大満足の2時間20分。再度のアンコールを求める拍手はいつまでも鳴りやまなかった。




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