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Lee Ritenour with Friends "Live@Blue Note TOKYO" [ライブ・リポート]

Lee Ritenour Live2005

 もう1週間も経ってしまいましたが、行って参りましたLee Ritenour with GENTLE THOUGHTS & Friends Reunion、6月22日(水)の1stセット。いや~、客席もめちゃくちゃ熱く盛り上がって、リーもゴキゲン。近来に無く楽しいライブでした。ステージはユーモアにも溢れていて終始笑いが絶えなかったし。でも、見終わってしまったら魂が抜け落ちてしまったかの様な脱力感。今でも、思い起こせば何やら悲しい気持ちさえしてきます。あんなにも素晴らしいステージを、たった1回しか観られなかったなんて・・・。

◇Lee Ritenour's web site : http://www.leeritenour.com/




僕が前回リー・リトナーのライブを観たのは2002年11月。スペシャル・ゲストにイバン・リンス(vo)を伴ってのBlue Note公演で、アラン・パスクァ(p)、デイヴ・カーペンター(b)、マイク・シャピロ(dr)という、リーのサポートとしてはjazzの色合いが濃い仲間達を連れてのステージでした。

 それ以来約2年半。本当に待ちに待った、久し振りに観る彼のライブ。それも昨年末にリリースしたDVD作品『OVER TIME』に集まった懐かしい顔ぶれを率いての来日。パトリース・ラッシェン(key)、エイブ・ラボリエル(b)、アレックス・アクーニャ(dr)、アーニー・ワッツ(sax)と、誰をとってもL.A.Fusionファンならばその名前に思わず頬が緩んでしまうビッグ・ネーム達。この5人が一緒に演ってくれるなんて、ジェントルソウツやフレンド・シップの後にリーのファンになった僕にしてみれば、過去のLPの中でしか有り得なかった本当に夢のような組み合わせです。もう期待するなって言う方が無理なおハナシですよね。

 さて、今回はこれ以上色々なコトを書いてると全く収拾が着かなくなってしまうので、余計な話は端折りますね。


※ ※ ※


 遅れることなく、定刻にステージに上がったリーが愛機の赤い335を手にし、先ず一人でブルージーなフレーズを奏で始めます。何から始まるのかと思っていたら、いつもならば終盤のキメで演奏される事が多い“RIO FUNK”。さすがに1曲目ですから、ややウォーミング・アップ的で抑えめではあったものの、それぞれにソロを回してオーディエンスにご挨拶。客席からもその都度毎にタイミングの良い拍手や歓声が送られ、とっても好い雰囲気のスタートでした。

 続いて2曲目はパトリースのオルガン・ソロからウェス・モンゴメリーの“Boss City”を。リーはL5にギターをチェンジ。1曲目で派手目に行ったからジャジーにクール・ダウンかな、と思ったらとんでもない。むしろこちらの方が更に熱くなる様な素晴らしいギター・ソロを展開。後を受けたアーニーも負けじと、聴いてるこちらの肺の方が苦しくなる様なブロウで客席を煽ってました。前回ボビー・コールドウェルのビッグ・バンドで観たアーニーは何だかとても淡々としてたけど、この日は体を揺らして吹きまくり。ソロの〆のロング・ノートを吹き切ると観客ももう大歓声でした。因みに、ドン・グルーシンがインタビューで、「シャイなアーニーは客席の正面を向かない(向けない)でずっと吹き続けちゃうんだよ。客席はあっちだぜ、っていつも言うんだ」って話してたけど、ホントでしたね。あんなにイカつい顔してて、とっても照れ屋なんだね(笑)。

 で、お次に現在の最新作である『RIT HOUSE』からの“PARTY TIME”、引き続き“WES BOUND”とjazz系のナンバーを連続してプレイ。ちなみに2曲目の途中からL5はギブソンのリトナー・モデルに持ち変えられております。お値段も勿論とってもよろしいんですが、ほんとに美しいギターでございますよ。もうちょっとお金出すと軽自動車くらい買えちゃうんだもんなぁ~、などと下らないコトをついつい考えてしまうワタクシですが・・・(笑)。





 この曲が終わると、リーが今度はヤマハのサイレント・ギターに持ち替えます。スケルトンだからエアコンディショニングがいいネ、なんて客席を笑わせつつ、ここで改めてメンバー紹介。何やら一部楽器を持ち替えて企画コーナーが始まる模様。アレックス・アクーニャが四角いハコにギターのサウンドホールを着けたような打楽器・カホンを持って前列へ。アーニー・ワッツはカバサ、パトリースは緑のマラカスに持ち替えます。この時彼女が思いっきり真顔で、マラカスをブルース・リー宜しく、まるでヌンチャクに見立てて?客席に向けて構えて大爆笑を誘っていました。やっぱり何だかんだ云ってもパトリースはカワイカッタですね(笑)。

 でもこの日、一番に受けてたのはエイブ・ラボリエル。リーが「エイブはとっても日本のコトをよく知ってるんだよ。歌も歌えるよ」みたいな話を振った途端、ベース弾き語りで加山雄三の“君といつまでも”のさわりを披露。これにはお客も大喜びでこちらも大爆笑。リーも笑いながら「これ、判った?」なんて客席に問い掛けるなど、本当に和やかな雰囲気。

 こんな余興を経て演奏された曲はやっぱりライブ大定番の“ETUDE”でした。
この曲はライブ映像作品『Lee Ritenour & Friends LIVE』の中でもアンソニー・ジャクソンとの素晴らしいユニゾン・プレイを見せてくれているガット・ギターとベースとのデュオ曲で、普段だとここがテクニカルな見せ場であり、結構緊張感もそれなりに有る場面なのですが、今回は趣が全く違いました。途中、エイブのベース・ソロがスローダウンしてまたもや彼が得意の?喉を披露。客席に日本語で「みなさん、一緒に歌いましょ」とスキャットでコール&レスポンス。客席も一緒になって歌ったメロディーはまるで昭和ムード歌謡の世界そのまんま(笑)。こんなにもエイブが楽しい人だと思いませんでしたねぇ~。

 まぁ、正直アンソニーやメルビン・デイビスらとの一糸乱れぬユニゾンの再現を期待していた向きには、この日のエイブのプレイはちょっと違ったものだったかも知れませんが、観客はこの人懐こい彼のパフォーマンスを存分に楽しんでいたことと思います。スラップを一切しないアンソニーとチョップしまくりのエイブはタイプ正反対って、ファンはハナからみんな知ってますしね。

 この後、“CAPTAIN CALIBE”を演奏し満場の拍手の中一旦バックステージに戻った彼らは当然に鳴りやまないアンコールの拍手に押されて再びステージへ。リーが渡辺貞夫さんが観に来てくれているんだとを話すと、場内もの凄い歓声。それこそ貞夫さんをステージに上げちゃいそうな勢いの拍手でした。それに引き続き、なにやら急にリーの話し方がフニャフニャして来たなー(笑)、と思ったら‘SWEET HEART’(=杏里)のご紹介。控えめにずっと後ろの方から杏里が手を振ると、会場は温かく大きな拍手で祝福してました。

 そんなお祝いムードの中、とっても幸せそうな笑顔のリーが「じゃ、“CAPTAIN FINGERS”行くよ!」って例のイントロのカッティングを始めます。

 待ってました!と最高潮に客席は盛り上がる・・・ハズなのに、音が出ないよ・・・?。

 なんとリーったら、舞い上がっててシールドをアンプに繋いでなかったんです・・・。「興奮してるみたい・・・」と言いながら、入れ忘れたプラグを客席に見せつつ、何とも恥ずかしそうにしてるリーにみんなもう超大爆笑でした。





 厳しい見方をしてしまうと、ついつい『OVERTIME』の演奏と比較してあまりにラフなんじゃないかとも思えてしまうこの日のリー&フレンズのパフォーマンスでしたが、そんな事を軽く通り越して彼らの「楽しませる」ステージングは素晴らしいものでした。そして観客もそんな彼らの演奏を受け止めていて、ミュージシャンとオーディエンスの一体感がとても高く感じられたのです。こんなにも素敵で楽しい高揚感を伴ったライブはそうそう味わえるもんじゃありません。他の日の他の時間帯のライブもそれなりに素晴らしかったのでしょうが、盛り上がり方はきっと僕らが観たステージが一番だったんじゃないかなぁ。そう思い返す度、1週間経ってしまった今も最高に楽しいライブだったなぁと、つい頬が緩んでしまうワタクシなのでした。早くも次の来日が待ち遠しい~。



※過去の関連ブログ
リー・リトナー / GENTLE THOUGHTS
アーニー・ワッツ / 炎のランナー
パトリース・ラッシェン / WATCH OUT!
巷でちょっと話題のギタリスト(笑) ~ リー・リトナー
リー・リトナー / OVERTIME

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