ジャズへの入り口は、ベニイ・グッドマン物語 [音楽雑記帳(コラムなど)]
産経新聞の湯浅記者の書かれた「ジャズタクシー」の記事がとても好い話だったので、前回僕の1月16日のブログでご紹介させて頂きました。
記事をUPした後にNetで検索をかけてみたら、そのジャズタクシーの安西さんがブログを書いておられる事に気付きましたので、つい嬉しくなって、気軽に自分の書いたブログをトラックバック。すると安西さんご本人から直にコメントを頂戴してしまいました。いや~、めちゃくちゃ恐縮です(汗)。ほんとにお忙しいでしょうに・・・(申し訳ございませんです)。それにしても久し振りにNetの双方向性を実感し、改めて感激してしまいました。よくよくすごいものですよね~。
で、安西さんの書いて下さった、「今の若い人たちもジャズの入り口を捜してるのです。ジャズを難しく考えないで楽しく聴きましょうよ!。」の一言からふくらませて、今日は僕の『ジャズへの入り口』の話を少しばかりしてみたいと思います。
このブログを読んで下さる方々は、きっとみな「ジャズ」がキーワードになってこちらにいらして頂いてると思うのですが、皆さんはなんでご自分がジャズを聴くようになったか、ジャズを好きになったのか、きっかけを覚えていらっしゃいますか?。
僕のジャズ入門はマンハッタン・トランスファーだと今年に入ってすぐのブログで書いているんですが、「あ、ジャズって格好良くって好きかも・・・」と気がついたのはもう少し早くて、中学1年か2年生の頃です。夏休みか冬休みかは忘れてしまいましたが、お昼にやっていた、多分テレビ東京(当時はまだ東京12チャンネルかな?)でなんですが、映画『ベニイ・グッドマン物語』を観たときなのです。
実は、このときこの映画を観たのは2回目で、もう少し子供のころにも1回、わけも分からずにアメリカン・ホームドラマのノリで観たことがあって、「これ前に見たことある!」なんて具合に思い出しながらベニーの幼少期から成功に至る過程を、アリスとの恋物語も交えて名曲の数々とともに楽しんだものです。
小学生の頃によく読んで大好きだった、井上靖の「あすなろ物語」や「夏草冬濤」、ヘッセの「車輪の下」など作家自らの少年期から次第に成長していく過程を描いた作品と近い感覚があったんですよね。なにか淋しい事や悩みごとがあると、灯りもろくに無く暗い夜のアパートの屋上へ出て、ひとりクラリネットを奏でるベニー少年に、ちょっとせつないシンパシーを感じて心をグッと掴まれてしまったのでした。
それにクラリネットって、きっと誰もが歌った童謡のせいでしょう、子供にもとても馴染みの深い楽器でしたしね。
お気に入りの場面はたくさん有れど、特に好きなのは上流階級のアリスの家でクラッシックの演奏家達とモーツアルトを奏でるシーン。「決して裕福に育ったわけでもない、ジャズなんて品のない音楽をやってる彼に古典なんか絶対に出来っこないわ、彼に彼のお母さんの前で恥をかかせてはいけない!」と本気で心配していたアリスがベニイの演奏する様を見て一変。即恋してしまうところです。こうゆうシーンでみんな勘違いさせられちゃうんですよね、今も昔も。楽器が出来るとひょっとしたら女性にモテるかも、って言うのは(苦笑)。
そういえばこの映画で、客待ちのタクシーのラジオから漏れて来たベニイ・グッドマン楽団の生放送を耳にしたフレッチャー・ヘンダーソンが、そのままタクシーに乗り込んで、「どちらまで?」って尋ねられ、「ラジオを聴きたいんだ」とだけ応えると、運転手さんはその意味を察してにっこり微笑み、何も云わずにクルマを出すと云うシーンがあるのですが、あれもなかなか素敵なシーンですよね。
曲はいいし、楽しいし、ロマンチックだし、是非とも『スイング・ガールズ』観て楽しめたような若い人にも1回観て貰いたいな。そんな若者達にこの映画がどんなふうに映るのか、気になるところです。来月、スカパーのスターチャンネルで2日ほど放映予定がありますので、興味がお有りの方はチェックしてみて下さいね。
2005年現在、Amazonで買えるDVDは、こちらもまた良いjazz映画の『グレン・ミラー物語』とカップリングのようです。グレン・ミラーの方は少々悲しい結末が待っているのですが・・・。戦争さえなければ・・・ですね。
グレン・ミラー物語 / ベニイ・グッドマン物語 Great Box
- 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
- メディア: DVD
『ベニイ・グッドマン物語』単独にてもDVD再発されました。
ベニイ・グッドマン物語 (ユニバーサル・セレクション2008年第1弾) 【初回生産限定】
- 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
- メディア: DVD
コメント 0