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ティル・ブレナー / "THAT SUMMER" [Adult Contemporary]

That Summer.jpg
Artist :Till Brönner
Title : "THAT SUMMER"
Release : 2004
Style : Adult Contemporary / Jazz (trumpet)
jazz度数・・・★★☆☆☆ (2/5p)
お気に入り度数・・・ ※最高は5つ

 2004年のお気に入り第3弾。今年いちばん聴いたCDがこれかもしれません。いつでもどこでも、PLAYボタンを押した途端にセンチメンタル・ムードにどっぷりと浸れちゃいます(笑)。
 2000年作の『CHATTIN' WITH CHET』ですっかり彼のセンスと歌声に惚れ込んでいた僕にとって、この作品は待望のボーカルアルバム。それも1曲目の“Your Way to Say Goodbye”からそのまま全編に連なるボサノヴァ・フィールに溢れたアコースティック路線。

 前作『Blue Eyed Soul』は、そのタイトルからすると如何にもAOR的な歌モノが多く収録されているように連想させられたのですが、実際にはビリー・ジョエルの“Just The Way You Are”をミュート・トランペットでカバーする程度で、サンプリングや打ち込み、ターンテーブルを多用したJazz Hip Hop的かつ、ややアンビエントなインスト中心の作品だったのです。ですから、今作のこの方向性はとても嬉しいものでした。



 彼の歌い方がマイケル・フランクスに近いのはAORファンならば、誰もが気が付くところだと思うのですが、この『THAT SUMMER』でティルが全編にわたりボサノヴァを歌い奏でることにより、いっそうマイケルの音楽を近いものに感じさせます。

 そう、そして日本のレコード会社のスタッフにも僕と同じように思っていた同好の士?がいらっしゃったようなんです。ティルに日本向けのボーナストラックとして、なんとマイケル・フランクスの人気レパートリーで1977年作の『SLEEPING GYPSY』に収録の⑥“ANTONIO'S SONG”をおねだりしてくれちゃったんですねえ。あまりにベタでストレート(笑)。嬉しくて頬が緩んでしまいましたよ、これには。

 マイケルのバージョンは、後にGRPレコード社長にまで昇りつめるトミー・リプーマがプロデュース。ストリングスがムーディに流れる中、ジョー・サンプル(p)、ウィルトン・フルダー(B)、ラリー・カールトン(G)のクルセイダーズ勢がバックを固め、デイビッド・サンボーンが「泣きのアルト」でソロを取るという豪華布陣で、リアルタイム派のAORファンからフェイバリットに挙げられることも多いナンバー。クレジットにあるように、アントニオはそう、あのアントニオ・カルロス・ジョビンのこと。マイケルが彼に捧げて作った曲なのです。

 ティルのバージョンも負けじとストリングスをふんだんに用い、基本サウンドはマイケルのそれを踏襲。その上で囁くように歌いつつ、サンプルとサンボーンが取っていたソロパートをフリューゲルホーンでメランコリーに聴かせます。ティル本人も、やってみたらこの曲が今作のテーマにピッタリだと思ったそうで、めでたく日本向けボーナス・トラックから通常収録に格上げ変更されております。



 そして僕の今作でのフェイバリット。何度も何度も繰り返し聴いた⑨“So Right, So Wrong”はアコースティックな味付けのAOR風バラッド。因みにライブを観に行った人は、ティルの「恋人との関係が終わって1週間経ったときの気持ち」・・・って、やけに具体的な解説つき(笑)でみんな一緒にコーラスパート歌わされてます。
#そのせいで内容は哀しい歌だけど、思い出としては楽しかったりして(^^)。

 電話をかけたい、でもかけられない。彼女とやりなおしたい、でもうまく行くわけがない。
また同じことの繰り返しだとわかっているから・・・。揺れる気持ちが哀しいんだなぁ(しみじみ)。
 
 
 正しいんだよ でも間違ってる
 僕はまた君に電話をかけようとしている
 でも、それでなんて話せばいいんだい?
 弱いけれど、強い
 また自分を見失っている
 こんなふうに想う自分を、どうにもできないんだ
 正しいんだよ でも間違ってる


 この曲に続く⑩“Wishing Well”とフリューゲルホーンでのインスト⑪“Rising Star”の3曲の流れが、あまりにも甘くせつなく美しい。続く日本向けボーナス曲でBeatlesのカバー、“Eleanor Rigby”でミュートされたトランペットにより幻想的に彼の夏は遠ざかってゆくのです。



 こんな雪積もる静かな大晦日に、過ぎ去った「あの夏」を思い出しながら、彼の甘い歌とトランペットに浸るのもなかなかオツなもんですよね。

 あ、そうそう、セサミストリートのカエルのカーミットの歌う②の“Bein Green”もお忘れなきように。
お子ちゃまの情操教育にはピッタリでございますから(笑)。


※カエルのカーミットのエピソードを含む、ティル・ブレナーのmotion blue yokohamaでのライブ感想ブログ 「穏やかなハンサムガイは赤ワインの味わい 」はこちらから。


ザット・サマー

ザット・サマー

  • アーティスト: ティル・ブレナー,チャック・ローブ,ロベルト・ディ・ジョイア,ウォルフガング・ハフナー,ティモシー・レフェーブル,ロロ・ロドリゲス
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2004/06/23
  • メディア: CD





チャッティン・ウィズ・チェット

チャッティン・ウィズ・チェット

  • アーティスト: ティル・ブレナー,サモン・カワムラ,ティム・レフェーブル,ディーン・ブラウン,チャック・ローブ,フランク・カステニアー,グレゴイア・ピータース,ウォルフガング・ハフナー,ジーン・レイク
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 2000/04/01
  • メディア: CD




love

love

  • アーティスト: ティル・ブレナー,ティム・レフェーブル,チャック・ローブ,フランク・カステニアー,ウォルフガング・ハフナー
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1999/05/19
  • メディア: CD



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