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オフコースからフュージョンへ [音楽雑記帳(コラムなど)]

Ibanez_catalog.JPG

 TBSの「月曜組曲 - 風のようにうたが流れていた」という番組を、毎週観ています。

 これは、小田和正が自身の時系列に沿って、影響を受けてきた様々な音楽を演奏する、という内容の番組で,、昨晩は“眠れぬ夜”に始まり“さよなら”“Yes-No”“生まれくる子供たちのために”“YES-YES-YES”と5人のオフコース時代のシングル曲中心の構成でした。

 10代に聴き、大好きだったこの懐かしい曲達を、あの頃のクールなイメージからは想像も着かない軽妙なトーク?とギター中心のシンプルなアレンジでサラっと聴かせる小田和正の声には相変わらず驚かされます。声に全く年齢を感じさせない、いや、むしろ逆に力強くなっているのではないだろうかとさえ感じます。



 「ちょっと待って、『jazzっぽいの、好き?』とか云っておいて、いきなりオフコースかよ。」って声も挙がりそうですが、何も僕だってランドセル背負っている時分から「ベンソンの“BREEZIN'”って爽やかでいいよね~、イントロのフルートとのユニゾンなんて最高に気持ちいい~」とか云ってたワケじゃないのですよ、オフコース育ちなんです。ただ、今も昔も外で人に面と向かって声高には申せませんが・・・(苦笑)。

 どうしても“さよなら”のイメージが強いのと、「君を抱いていいの」と歌詞に載せて堂々と歌ってしまった軟派なイメージで毛嫌いされる方が多かったですからね。あの時代はまだ「番カラ」なんて言葉が残っていて、硬派な男の方がよりオトコらしくて好い、そんなイメージが確かにありました。少し遡るけど「俺は男だ!」なんて青春ドラマが人気だったりもして。
 
 ま、今にして思えば実際はウーマンリブの裏返しで、オトコが強く見せなければ・・・と必死だったのかもしれませんね。そんな時代に育ったから、相変わらずオフコースが好きだって、気軽に口に出せない自分が居たりします。 



 でもね、やはりオフコースで思春期を過ごした僕は楽曲からだけでなく様々な影響を、隠しようもなく受けていました。僕がフュージョンと云うジャンルにはまるきっかけも、そもそもはオフコースからだったのです。

 当時、マスコミに余り露出しないオフコースの紙媒体での情報は僕にとって大変貴重なものでした。そんな中でも継続的に記事が載せられていたのが「セブンティーン」だったのです。さすがに買う度胸はありませんでしたから(笑)、同級生の女の子にの切り抜きを欠かさず貰ったりしながら情報収集にいそしんで居りました。で、その内にその記事の写真見ながら「yassさん(鈴木康博:G&Vo)の持ってるギター格好いいな、どこのなんだろう・・・。『Ibanez』?知らないなぁ~。」なんて思い始めるワケなのですよ。

 或る日、たしか中間試験の最後の日か何かの学校帰りに、遠回りして渋谷の公園通りにあった石橋楽器に行きます。すると、あったんですね~、ピカピカに光る“Ibanez AR305”が。もう即一目惚れです。美しく浮かび上がるマホガニーの木目、アンティークヴァイオリンの落ち着いた色調。「ううう~、欲しい~。」と、店内でひとり唸ってみても、普段は簡単なコードでやっと弾き語りをする程度の16歳の少年には余りに過ぎたる高級ギター。今すぐ買えるわけもありません。カタログを貰って、東横線の中で、降りるまでずっとうっとりと眺めながら帰ってゆきました。



 このカタログこそ、今にして思えば僕の音楽嗜好を決定付けるミュージシャン・カタログだったのです。

 そのイバニーズ(その頃日本ではまだアイバニーズとは呼ばれていませんでした)のカタログを彩っていたユーザーは、ソフト&メローの大権化で当時のスーパースター、ジョージ・ベンソン。アルバム「RIT」でAOR路線へ展開し始めたリー・リトナー。後にサラ・ボーンの「枯葉」で僕が衝撃的な出会いをすることになるジョ-・パス。ARの12弦をスタンドに固定した長髪の若いロックミュージシャンはいったい何者?と風貌からの想像で、全くに勘違いをしていたパット・メセニー(笑)。そうそうたる顔ぶれでしょ?。

 彼らの音楽との出会いは、全て「yassさんの使ってるイバニーズのカタログに載ってるこのミュージシャンは、どんな音楽をやってるんだろう?」から始まったんですよねぇ~・・・。遠い昔のお話です。


※トップの写真はそのイバニーズの当時のカタログから。 左はパット。右のカラーがヤスさん。白黒でスティングの姿も。
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